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マンション売却のコツ

マンションのプロフェッショナル・平賀功一氏が語るマンション売却のコツを、当サイトが独占公開!マンション売却の3つのコツとは?

このテーマのガイド
平賀 功一 氏
マンション売却のプロフェッショナル。All About(オールアバウト)でもマンション売却の専門家として450本以上の記事を執筆。
業界のおいしい話や厳しい話も熟知している氏のアドバイスは、一般情報誌では入手できない情報のため、人気を博している。
プロが語るマンションを売却するときの3つのコツ(初級編)
マンション営業活動、そして自身でのマンション購入・売却を経て、あらゆる角度からマンションのことを知り尽くしているプロフェショナル、平賀功一氏。不動産売却における、膨大な量の成功・失敗例を見てきた平賀氏。ここでは、氏が語るマンション売却のコツをご紹介していきます。
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3種類の売却方法から最適なものを選ぶ
まずはじめに、マンションの売却方法や売却依頼先の選定がポイントになります。マンションの売却依頼先は、不動産仲介業者とリノベーション業者の2種類に大別されます。不動産仲介業者は、読者のみなさまが想像しているような、売却活動によって買い手を見つけ、仲介する業者。対して、リノベーション業者は自社で物件を買取り、リノベーションを施して物件価値を高めた上で、自社で販売するというもの。また、売却の方法は、「業者に即金で買い取ってもらう」「市場で売り出す」「買取り保証付きで売り出す」という3種類があります。リノベーション業者に売約するのは、ひとつめの業者の買取りにあたります。売却の方法は、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、売却方法を選ぶために知っておきたい、売却方法の特徴を解説しています。
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媒介契約の判断基準を持っておく
マンション売却の媒介契約には、3つの種類があります。一般、専任、専属専任と呼ばれる3つで、それぞれ複数社に依頼できるものや一社独占での売却活動を行うものなど、特徴がそれぞれにあります。これもメリット・デメリットがあり、売却する物件によって正解は異なります。大切なのは、業者に言われるままに選ぶのではなく、自分で最適な契約形態を選ぶこと。ここでは、媒介契約を選ぶうえでの判断基準をご紹介します。
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売却活動の“実際”を知る
マンション売却の媒介契約を結んだら、あとは仲介業者が売却活動をしてくれて、売主は買い手が見つかるのを待つだけ…というわけにはいきません。仲介業者がどのような売却活動をしているのかを知り、物件が売れなければ適切な対応を取らなければなりません。ここでは、仲介業者が行う売却活動の代表的なものをご紹介しています。専任・専属専任契約であれば、売却活動の報告義務があるため、適切な売却活動が行われているかどうかを知ることができます。また、一定期間内に買主が見つからなかった場合、どのような選択肢があるのか、平賀氏の語る戦略を紹介しています。価格を見直すのか、買取り保証を利用するのか、あるいは仲介業者を変えて再出発するのか。その選択肢の選び方についても解説しています。売却活動で行われていること、そしてその結果に対する対応策を理解していれば、マンションの売却はより上手くいくはずです。
【一般】マンションを売却するときのコツ
基本的に知っておいた方がよいコツも合わせておさえておきましょう。
売れにくいマンションの特徴
売れにくいマンションを売却するためには、まず売れにくさの特徴を知っておくことが大切です。売れにくいマンションの特徴は、大きくあげると3つあります。1つは、投資用マンションにもかかわらず、入居者がいないことです。2つめは、同じく投資用マンションで、入居者の退去予定が決まっていること。いずれの場合も、売れない理由は、収益が見込めないことにあります。3つめの特徴は、売却価格が高額であることです。特に、近隣にも似たような条件のマンションが売りに出されている場合、高値で売りに出しているほうが売れにくくなってきます。こうした売れにくいマンションであっても、適切な対策を講じることによって売却できる可能性が高まります。どんな対策が必要なのか、具体的に見ていきましょう。売らずに賃貸に出すケースについても詳しく紹介します。
売れやすいのはこんなマンション
売れやすいマンションにはどのような特徴があるのでしょうか。代表的なポイントは、5つあげられます。1つめは、万人受けする間取りであることです。個性的な間取りは特定の層には受けますが、万人受けする間取りのほうが売れやすいです。2つめのポイントは、築浅であること。築年数が古い物件よりは、築年数が浅い物件のほうが好まれやすい傾向にあります。3つめのポイントは、駐車場が付いているかどうかです。別途、駐車場を借りるとなると費用負担がかさみ、車に乗るときに駐車場まで移動するのもストレスになります。4つめのポイントは、好立地であること。駅近か、最寄りの駅は大きいか、都心へのアクセスがよいか、街の規模なども、立地条件に関係してきます。5つめのポイントは、毎月の維持管理費や修繕積立金が適正金額かどうかです。高すぎても負担が気になりますが、低すぎてもメンテナンスが心配になってきます。各条件について、詳しくみていきましょう。
売れやすいマンションと売れにくいマンションの違い
売れやすいマンションと売れにくいマンションの違いについて、以下で表にまとめました。
|
売れやすいマンション |
売れにくいマンション |
---|---|---|
間取り |
万人受けする間取り、快適性に優れた間取り |
個性的な間取り、需要が少ない間取り |
築年数 |
築浅(築15年くらいまで) |
築年数が古い(築15年以上) |
駐車場 |
駐車場あり |
駐車場なし(もしくは離れる) |
最寄りの駅からの徒歩分数 |
駅からの距離が短い(徒歩10分以内) |
駅からの距離が長い(徒歩10分以上) |
最寄りの駅の規模 |
ターミナル駅で規模が大きく、交通アクセスが便利 |
規模が小さく、乗り入れている路線も少ない |
売却額 |
市場相場や資産価値に見合っている、もしくは低価格 |
市場相場や資産価値と価格が見合っていない、高額すぎる |
管理費や修繕積立金 |
適正額である |
高すぎる、安すぎる |
項目毎に詳細を解説いたします。
間取り
物件を選ぶ上で大きなポイントとなるのが、部屋の間取りです。一般的に好まれる部屋の条件(南向きで通風に優れている)などを揃えているマンションは売れやすいといえるでしょう。
逆に、ほとんど陽が当たらず暗い、窓が極端に少なく通風がしづらいマンションは売れにくいといえます。いびつな形の部屋や趣味の部屋などの個性的な間取りは、万人受けするとは言えないため、どうしてもニーズの幅が狭くなってしまうのです。
築年数
築年数が浅ければ浅いほど売れやすいマンションになります。不動産というのは、その性質上、どうしても経年劣化してしまうものです。管理をしっかり行っていたとしても、日々紫外線や雨風にさらされていますから、築年数が浅い物件と古い物件とでは状態も違います。
物件を探している人の中には、築浅物件に絞るという方も珍しくありません。
築年数が15年くらいまでは売れやすく、それ以上は売れにくくなってしまうのが現状です。
駐車場
駐車場があるマンションとないマンションでは、前者の方が圧倒的にニーズは高まります。駐車場を別途借りることでお金もかかりますし、移動する距離も入居者に負担となるからです。
特に、ファミリー世帯をターゲットにした物件の場合は必須といってもよいでしょう。都心の単身者向けマンションであれば、そこまでシビアな条件にはならないでしょうが、やはり駐車場があった方がマンションは売れやすいです。
最寄りの駅からの徒歩分数
駅までの所要時間は、やはり短いほど需要が高くなる傾向にあります。
暑い日、寒い日、雨の日など、気候が悪いときには駅まで歩くのも億劫です。駅から離れ、さらに駐車場もないとなると、需要は大きく下がってしまうでしょう。
最寄りの駅の規模
一般的には、大規模な駅に近いマンションほど売れやすいと考えられます。
例えば複数の路線が乗り入れている都心の中心ターミナル駅と、一路線しか通っていない都心から離れた駅では、前者の方が探している人は多くなるからです。
交通アクセスの良し悪しはマンションのニーズに直結すると考えてよいでしょう。
価格
マンションの売買で重要となるのが、やはり価格面です。ポイントとなるのは、単純に金額が高い・低いというところではなく、市場相場やそのマンションの資産価値に見合っているかどうかです。
そのため、資産価値が高く低価格なマンションは売れやすく、資産価値が低く高額なマンションは売れにくいといえます。
管理費、修繕積立金
管理費や修繕積立金の価格設定も一つの条件です。この価格が低すぎても高すぎても入居者の不満を生むため、適正であることが大切になります。
適切なタイミングで売却しよう
マンションの売却タイミングとして好適とされているのが、築15年です。築10年を超えると、物件の価値が下がり始め、築20年ともなれば水回りに故障が出やすくなります。見た目の印象も悪くなってくるため、買い手がつきにくくなるのです。最も売れ行きが良い築年数は、5~10年。築15年を超えると、維持管理費や修繕積立金が高くなってくるのにも要注意です。マンションの周辺相場が高いうちに売却に踏み切るのことも重要です。例えば、東京であれば、東京オリンピックの開催までは、不動産が上昇傾向にあると見られています。しかし、これはあくまで予測です。築年数が経過しないうちに早めに売却を検討したほうがよいでしょう。市場の動向だけでなく、買い手にも敏感になっておく必要があります。そのほかにもタイミングを見極めるコツをご紹介していますので、ぜひご覧ください。
高額で売るためのポイント
マンションを高額で売却するためのポイントには、大きく分けて3つあります。部屋の対策、共用部分の対策、入居者や近隣住民の対策です。部屋の対策としては、きれいな部屋ほど買い手に好印象を与えるのは確実です。不具合がある場合は、しっかりメンテナンスをしておきましょう。悪臭や虫の問題なども、解決しておくことが大切です。部分的にリフォームが必要な箇所はリフォームを検討し、清掃が行き届かない部分はハウスクリーニングを利用する手もあります。共用部分の対策としては、エントランスの清掃や整備をしておくことで良い印象を与えます。階段や廊下の清掃や整備も、自らチェックしておきましょう。整備は管理会社などに依頼するのが適切ですが、ゴミが落ちているくらいなら自分でも掃除できます。集合ポストの見た目も、印象に大きな影響を与えます。清掃しておくのはもちろんのこと、チラシなどがたまっていないかにも気を配っておきましょう。近隣住民の対策については、トラブル解決が必須です。これらの3本柱をもとに、高額で売るためのお役立ち情報をまとめました。
【上級者】マンションを売却するときのコツ
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インスペクションを活用する
マンションを高く売却するコツとして、インスペクションを活用する方法があります。インスペクションとは、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる専門家に住宅を診断してもらう方法です。プロの目で建物の構造や機能をチェックすることによって、「安全なマンション」という保証がもらえます。どこまで診断してもらうかにもよりますが、費用は5万円~10万円程度です。
手痛い出費と感じるかもしれませんが、米国では物件に付加価値をつけたいときの定石だといえます。あるデータによれば、米国における取引物件の70%がインスペクションを受けていました。もちろん、日本と米国の不動産取引事情は違うでしょう。しかし、インスペクションとは住まいの人間ドックを受けているようなもの。第三者の専門家によって評価された物件は日本ではまだ絶対数が少ないので、買主に希少性をアピールできるはずです。
ホームインスペクターは、住宅診断士の資格試験を実施するNPO法人日本ホームインスペクター協会のホームページで探すことができます。良いホームインスペクターを選ぶ際は、特定の不動産会社の影響を受けておらず、実績があることを確認してください。目視で建物の状態をチェックするので、経験が必要だからです。修繕が必要かどうか、ホームインスペクターの判断を仰ぐこともあります。経歴を確認し、見識のあるホームインスペクターを見つけましょう。
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ステージングで部屋を魅力的に
マンションを高く売るコツとして、ホームステージングを活用する方法があります。ホームステージングとは、インテリアや小物で内覧の部屋を飾っておくこと。モデルルームを想像するとわかりやすいでしょう。たとえば、いわゆる億ションと呼ばれる眺望に優れた物件であっても、殺風景な寒々しい印象だと魅力があまり伝わりません。そこで、マンション売却をスムーズにするための新たな戦略として、ホームステージングが注目を集めているのです。
購入希望者は部屋に入って、10秒ほどで印象を決めてしまうといわれています。お風呂に青色の水を張る、ポプリやアロマを置くなど、五感に訴えかける演出も効果的です。コストについては、住まい全体なのか、主要スペースのみなのかによって変わっていきます。売却前にコストがかかるので、上級者向けの方法です。
実際、ホームステージングによって成約率が上がり、売却までの期間が短縮されたという報告もあります。部屋が魅力的に映り、生活している様子がイメージしやすいからでしょう。また、ホームステージングを行ったことにより、内覧や見学の機会が増えるというメリットもあります。なかなかマンションの買い手が見つからずに悩んでいる売主の打開策として、ホームステージングを利用するのもおすすめです。就職・転職でも面接を受けるとき、誰もが第一印象に気を配ります。住まいの第一印象にも気を配ってみてはいかがでしょうか。